ソライトでは、原則として立ち絵の持ち込みをOKとしていません。
このお話をすると、「自由が少ない事務所なのでは?」と思われることがあります。
ですが、これは単に制限をかけたいわけではなく、将来的な権利トラブルからライバーさんを守るために行っているものです。
Vライバー業界では現在、「商用利用OK」と記載された立ち絵を使用して活動されている方が非常に多くいらっしゃいます。
しかし実際には、この「商用利用OK「という言葉だけでは、どこまで使用できるのかが明確になっていないケースが少なくありません。
例えば、
- 配信活動のみ可能なのか
- 収益化配信は問題ないのか
- グッズ制作は可能なのか
- 法人による利用は可能なのか
- 広告掲載は可能なのか
- イベント使用は可能なのか
- SNS投稿への利用は問題ないのか
- 表情差分やポーズ変更は許可されているのか
- Live2D化や二次加工は可能なのか
こうした重要な部分まで、実は契約上整理されていないことがあります。さらに厄介なのは、ライバーさん本人が「どの契約内容で立ち絵を取得しているのか」を把握できていないケースが珍しくないことです。
実際によくあるのが、
- Skeb等で依頼した
- ココナラ等で購入した
- 「商用利用OK」と書かれていた
- 著作権譲渡の説明がなかった
- 契約書自体が存在しない
- DMやチャットだけでやり取りが完了している
という状態です。
この状態のまま個人活動を行うこと自体は、実際には業界内でも多く見受けられます。
ですが、問題は「個人勢から事務所所属へ移行する時」です。
個人活動時には問題にならなかったことでも、事務所所属となり法人が関わることで、契約上の扱いが大きく変わる場合があります。
例えば事務所では、
- 公式サイトへの掲載
- SNSでのプロモーション
- オーディション募集画像
- Web広告
- 動画広告
- イベント掲載
- プレスリリース
- グッズ展開
- 配信アプリ外での利用
- 提携企業とのタイアップ
など、様々な用途で立ち絵を使用する可能性があります。
この時、元の契約内容によっては、
- 法人利用不可
- 第三者利用不可
- 広告利用不可
- 加工禁止
- 商標利用不可
- グッズ利用不可
といった制限に抵触する可能性があります。
また、「商用利用OK」という表記があったとしても、それが必ずしも「法人利用OK」を意味しているとは限りません。
クリエイター様によっては、
「個人の配信活動の範囲ならOK」
という意味で使用している場合もよく見受けられます。
つまり、ライバーさん本人は問題ないと思って活動していても、後から、
- 想定外の利用だった
- 法人利用は許可していない
- 広告利用は聞いていない
- 加工は許可していない
といった認識の相違が発生することがあります。
そして、こうしたトラブルは、活動が大きくなった後ほど深刻になります。
例えば、
- チャンネル登録者が増えた後
- グッズ販売後
- 広告展開後
- 企業案件獲得後
- 収益化後
に問題化すると、最悪の場合、
- 立ち絵差し替え
- 活動停止
- グッズ販売停止
- 動画削除
- ブランド変更
などが必要になるケースもあります。
さらに、著作者人格権について整理されていないケースも非常に多くあります。
著作者人格権とは簡単に言えば、「作者が作品に対して持つ人格的な権利」です。
この部分について適切な整理がされていない場合、
- 表情変更
- ポーズ変更
- 衣装差分
- 宣材用加工
- トリミング
- バナー用調整
などについて、本来は都度許諾が必要になるケースがあります。
ですが、業界ではこの部分まで深く理解されないまま運用されていることも少なくありません。
ソライトでは、こうした「今は問題になっていないだけ」の状態を避けたいと考えています。だからこそ、立ち絵や著作物については、最初の段階から契約関係を明確にしています。
持ち込み可能としている事務所もあり、持ち込み時に権利関係を明確にされている事務所もあります。
ただ、ソライトでは「今使えるか」だけではなく、
- 数年後も安心して活動できるか
- 活動が大きくなった時に問題にならないか
- クリエイター様との認識相違が起きないか
- 権利面でライバーさんまたはクリエイターさんが不利益を受けないか
という部分まで含めて考えています。
そのため、ソライトのライバーさんの立ち絵についてはクリエイター様にもご理解とご協力をいただきながら、事務所側で契約や権利管理を行っています。
これはライバーさんを縛るためではなく、活動が大きくなった時に、安心して前に進める状態を最初から作るために行っています。
また、これはライバーさんを守るだけではありません。
クリエイター様の権利や想いを守ることにも繋がっています。
インターネット上では、著作物が軽く扱われてしまう場面も少なくありません。
ですが、立ち絵には必ず制作者が存在し、時間と技術、そして想いが込められています。
ソライトでは、その部分も大切にしたいと考えています。
自由度の高さだけが、必ずしも良い環境とは限りません。
安心して長く活動できること。将来、大きなトラブルを抱えずに活動を続けられること。
ソライトでは、そのための環境づくりを大切にという想いから立ち絵の持ち込みをお断りしています。